優先順位の目安
| 順位 | 支払い | 遅らせたときに起きること |
|---|---|---|
| 1 | 従業員の給与 | 離職。事業そのものが止まる |
| 2 | 事業継続に不可欠な仕入・外注 | 供給が止まり、売上が立たなくなる |
| 3 | 家賃・水道光熱費 | 契約解除、営業停止 |
| 4 | 源泉所得税・社会保険料 | 延滞金。ただし猶予制度がある |
| 5 | その他の税金 | 延滞税。猶予・分納の相談が可能 |
| 6 | 金融機関への返済 | 条件変更の相談余地が最も大きい |
この順序の根拠は単純です。上に行くほど「止まると事業が続かない」もの、下に行くほど「相談で待ってもらえる余地があるもの」です。
給与が最優先である理由
給与を遅らせると、人が辞めます。人が辞めれば売上が立たなくなり、立て直しの前提そのものが消えます。
加えて、賃金の支払いには法律上の保護があります。遅配が続けば労働基準監督署の指導対象になり得ます。
どうしても足りない場合全額が無理でも、一部を支払って残りの支払日を明示するほうが、無断で遅らせるより影響が小さくなります。伝え方の問題ではなく、離職を防げるかどうかの問題です。
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税金と社保は「相談できる」
4位と5位が中位にあるのは、猶予や分納の制度が用意されているからです。黙って滞納するのと、事前に相談するのとでは扱いが大きく変わります。
- 国税・地方税 … 換価の猶予、納税の猶予。申請により分割納付が認められる場合があります
- 社会保険料 … 年金事務所への相談により、納付の猶予が認められる場合があります
いずれも滞納してから相談するより、期限前に相談するほうが通りやすいのが実務です。延滞金の扱いも変わります。
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金融機関が最後である理由
借入返済を最後に置くのは、後回しにしてよいからではありません。条件変更(リスケ)という正式な制度があり、相談の余地が最も大きいからです。
ただし順番があります。
- 返済日より前に相談する延滞してから相談するのと、事前に相談するのとでは信用への影響が違います。
- 資料を持っていく日繰り表、試算表、今後の見通し。数字がないと検討が始まりません。
- 他の支払いの状況も共有する税金の滞納や他社への遅延を隠すと、後で判明したときに交渉が難しくなります。
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やってはいけないこと
- 黙って支払日を過ぎる … どの相手に対しても、事前連絡の有無で扱いが変わります
- 高金利の資金でその場をしのぐ … 翌月の不足額が増えるだけです
- 一部の取引先にだけ優先的に払い、他を放置する … 関係が壊れるうえ、後の手続きで問題になることがあります
- 従業員に事情を一切共有しない … 噂で伝わるほうが影響が大きくなります
2つ目が最も起きやすい失敗です。目先の穴を埋めるための高コストな調達は、翌月の穴を広げます。
順位を決める前に、相談できる窓口があります
猶予や条件変更は、期限前に相談するほど通りやすくなります。
まず公的な窓口へ資金繰りが行き詰まりかけている段階では、無料で使える公的な相談先があります。 早い段階で相談するほど、取れる手が多く残ります。
- 中小企業活性化協議会(各都道府県に設置)… 再生計画の策定支援。無料で相談できます
- 商工会議所・商工会 … 経営相談、専門家派遣。会員でなくても相談できる場合があります
- よろず支援拠点(各都道府県)… 国が設置する経営相談所。無料・回数制限なし
- 弁護士会の法律相談 … 法的整理を検討する段階ならこちら
- 日本政策金融公庫・取引金融機関 … 条件変更(リスケ)の相談は早いほど通りやすくなります
※このページでは相談フォームを設けていません。この段階では、資金調達の勧誘より公的な支援制度のほうが有効だと考えているためです。 資金繰りそのもののご相談は お役立ち記事 の各ページ、または 運営者情報 のお問い合わせ先からどうぞ。
よくある質問
何から払うべきですか?
従業員の給与が最優先です。人が辞めると事業が続きません。
次に優先すべきは?
事業継続に不可欠な仕入や外注、次いで家賃や水道光熱費です。
税金は後回しでよいですか?
後回しにしてよいわけではなく、猶予や分納の制度があるため相談の余地があるという意味です。
社会保険料はどうしますか?
年金事務所に相談してください。納付の猶予が認められる場合があります。
借入返済が最後なのはなぜ?
条件変更という正式な制度があり、相談の余地が最も大きいためです。
リスケはいつ相談しますか?
返済日より前です。延滞してからでは信用への影響が違います。
給与が全額払えません
一部を支払い、残りの支払日を明示してください。無断で遅らせるより影響が小さくなります。
高金利でも資金を入れるべきですか?
翌月の不足額が増えます。まず猶予や条件変更の相談を優先してください。
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