なぜ日単位でないといけないか
月次で見ると「今月は収支トントン」でも、実際には月末に資金が足りないことがあります。
| 月次で見た場合 | 日繰りで見た場合 | |
|---|---|---|
| 月間の入金 | 800万円 | 20日に500万、月末に300万 |
| 月間の支払い | 780万円 | 25日に700万、月末に80万 |
| 判定 | +20万円で問題なし | 25日に200万円不足 |
月末入金の300万円は、25日の支払いには間に合いません。月次の表では、この5日間のずれが消えてしまいます。
日繰り表の作り方
表計算ソフトで足ります。列は日付、行は次の項目です。
- 前日繰越前日末の預金残高。複数口座があれば合算します。
- 入金売掛金の入金予定を、取引先ごとに実際の入金日で並べます。「月末」ではなく「9月30日」と書きます。
- 支払い買掛金、給与、社会保険料、税金、家賃、借入返済、リース料。金額が確定しているものから埋めます。
- 当日残高前日繰越+入金−支払い。ここがマイナスになる日が資金ショートの日です。
期間は3か月それ以上先は精度が落ちます。逆に1か月では手を打つ時間が足りません。13週(約3か月)が実務的な単位とされています。
入れ忘れやすい支払い
- 社会保険料(翌月末の口座振替)
- 源泉所得税(原則として翌月10日)
- 消費税の中間申告・納付
- 賞与とそれにかかる社会保険料
- 年払いの保険料・システム利用料
- ファクタリングの留保金が戻る予定日(入金側)
特に社会保険料と源泉所得税は金額が大きく、日付が固定です。入れ忘れると表そのものが当てにならなくなります。
不足日が見えたら
何日にいくら足りないかが分かれば、打てる手が具体的になります。
| 不足までの日数 | 現実的な手 |
|---|---|
| 60日以上 | 融資の申込、支払サイトの交渉、条件変更の相談 |
| 30〜60日 | ファクタリングの条件見直し、納税・社保の猶予申請 |
| 7〜30日 | 支払いの優先順位づけ、取引先への支払猶予の相談 |
| 7日未満 | 公的窓口・弁護士へ。自力での調達は間に合わない可能性が高い |
日数が短いほど、選べる手は減ります。だから早く作る価値があります。
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不足日が近いなら、公的窓口へ
日数が短いほど選べる手は減ります。無料で使える相談先があります。
まず公的な窓口へ資金繰りが行き詰まりかけている段階では、無料で使える公的な相談先があります。 早い段階で相談するほど、取れる手が多く残ります。
- 中小企業活性化協議会(各都道府県に設置)… 再生計画の策定支援。無料で相談できます
- 商工会議所・商工会 … 経営相談、専門家派遣。会員でなくても相談できる場合があります
- よろず支援拠点(各都道府県)… 国が設置する経営相談所。無料・回数制限なし
- 弁護士会の法律相談 … 法的整理を検討する段階ならこちら
- 日本政策金融公庫・取引金融機関 … 条件変更(リスケ)の相談は早いほど通りやすくなります
※このページでは相談フォームを設けていません。この段階では、資金調達の勧誘より公的な支援制度のほうが有効だと考えているためです。 資金繰りそのもののご相談は お役立ち記事 の各ページ、または 運営者情報 のお問い合わせ先からどうぞ。
よくある質問
なぜ日繰りが必要ですか?
月次では月中の資金ショートが見えません。支払いは月末に集中し入金は散らばるためです。
期間はどれくらい先まで見ますか?
13週(約3か月)が実務的な単位です。それ以上先は精度が落ちます。
何を入れればよいですか?
前日繰越、入金予定、支払予定、当日残高の4行です。
入金日はどう書きますか?
「月末」ではなく実際の日付で書いてください。ずれが見えなくなります。
入れ忘れやすいものは?
社会保険料、源泉所得税、消費税の中間納付、賞与関連です。
マイナスになる日が出ました
その日までの日数で打てる手が変わります。60日以上あれば融資や条件変更が間に合います。
7日を切っている場合は?
自力の調達は間に合わない可能性が高い段階です。公的窓口か弁護士へ行ってください。
ツールは何を使いますか?
表計算ソフトで足ります。専用ツールは必要ありません。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事業再生・法的整理に関する助言ではありません。手続きの選択は財務状況・債権者構成・事業の継続可能性によって大きく異なります。早い段階で中小企業活性化協議会、商工会議所、弁護士等の専門家にご相談ください。



