応じる義務はあるのか
まず前提として、債権譲渡は原則として自由です。取引先が自社の債権を第三者に譲渡すること自体に、支払企業の同意は必要ありません。
そのうえで、求められるものによって対応が分かれます。
| 求められたもの | 応じる義務 |
|---|---|
| 通知(知らせるだけ) | 受け取るだけ。返答の義務はない |
| 承諾(署名押印を求められる) | 義務はない。判断は自由 |
ただし、有効な通知が届いた後に元の取引先へ支払うと、二重払いのリスクが生じます。通知を無視して従来どおり支払う、という対応は取れません。
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確認すべき4点
- 通知が譲渡人から出ているか通知は譲渡人(取引先)の名義で出されるのが原則です。譲受人が一方的に出した通知では対抗要件が備わりません。
- 債権が特定されているかどの取引の、いくらの債権かが明記されているか。不明確なら書面での明確化を求めます。
- 取引基本契約に譲渡制限の定めがあるか自社の契約書に譲渡禁止や事前承諾を要する条項がないか確認します。
- 相殺の予定がないかその取引先に対して自社が債権を持っている場合、相殺の可否は重要です。応じる前に確認してください。
迷ったら供託という手もある誰に支払えばよいか判断がつかない場合、法務局に供託して支払いを済ませる制度があります。二重払いのリスクを避ける手段として用意されています。
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取引先との関係をどう考えるか
「資金繰りが厳しいのでは」と受け取る向きもありますが、債権の早期資金化は正当な資金調達手段です。売掛債権を活用しやすくするために民法が改正された経緯もあります。
実際、次のような理由で使われています。
- 支払サイトが長い取引が増え、仕入れとのずれが生じた
- 受注が伸びて先行投資が必要になった
- 季節的な資金需要に対応するため一時的に使った
与信判断の材料にはなりますが、それだけで取引を見直す理由にはなりません。継続的に大きな金額で使われているかどうか、支払遅延など実害が出ているかどうかで判断するのが実務的です。
事務手続き上の注意
- 支払先の変更は、社内の支払システムと経理の両方に反映する
- 振込先が個人名義になっている場合は、慎重に確認する
- 承諾書に署名する前に、署名者の権限を社内で確認する
- 通知書・承諾書の控えを保管する
2つ目は特に注意してください。正規のファクタリング会社であれば法人名義の口座を指定します。個人名義が指定されている場合は、取引先に直接確認することをおすすめします。
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よくある質問
承諾を求められたら応じる義務はありますか?
ありません。承諾するかどうかは自由に判断できます。
通知が来たらどうしますか?
有効な通知が届いた後に元の取引先へ支払うと二重払いのリスクがあります。無視はできません。
誰に支払えばよいか分からない場合は?
法務局に供託して支払いを済ませる制度があります。
通知は誰の名義で来ますか?
譲渡人である取引先の名義が原則です。譲受人が一方的に出した通知では対抗要件が備わりません。
自社の契約書に譲渡禁止条項があります
2020年の改正により譲渡自体は有効ですが、一定の場合に譲渡人へ支払うことができます。確認してください。
相殺の予定がある場合は?
重要な確認事項です。応じる前に自社の債権との関係を整理してください。
取引先の資金繰りが不安になりました
債権の早期資金化は正当な資金調達手段です。金額や継続性、支払遅延の有無で判断してください。
振込先が個人名義になっています
正規の会社であれば法人名義を指定します。取引先に直接確認することをおすすめします。
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