PROTOCOL RE FINANCE

事業再生・出口

手数料が資金を食い潰す速度
何回転で行き詰まるか

読了目安 9分監修:株式会社PROTOCOL

ファクタリングを繰り返していると、毎回少しずつ資金が減っていきます。その速度は計算できます。この記事では、手数料率と回転数から「あと何回転もつか」を出す方法を示します。感情の話はしません。数字だけを扱います。

基本のモデル

売掛金を資金化し、その資金で仕入れと経費を払い、また売掛金が立つ。この循環を1回転とします。

1回転あたり、手数料の分だけ資金が減ります。減った分を利益で埋められなければ、次の回転で使える資金が減ります。

式1回転あたりの目減り率 = 手数料率 − 営業利益率
営業利益率が手数料率を下回っている限り、回転するたびに資金は減り続けます。

たとえば手数料10%、営業利益率3%なら、1回転で7%ずつ目減りします。

何回転もつか

目減り率7%、支払サイト60日(=年6回転)の場合で計算します。

回転経過使える資金(初期1,000万円)
0開始時10,000,000円
36か月後8,044,000円
61年後6,470,000円
122年後4,186,000円
183年後2,708,000円

3年で資金は4分の1近くまで減ります。売上が変わらず、利益率も変わらなければ、この減少は止まりません。

自社の数字で出すには、次の3つを用意します。

分岐点はどこか

目減りが止まるのは、営業利益率が手数料率に追いついたときです。打てる手は2つしかありません。

手効果着手の難易度
手数料率を下げる即効。条件次第で数か月で反映相見積もりで着手できる
営業利益率を上げる本質的だが時間がかかる価格改定・原価低減が必要
回転数を減らす(利用額を減らす)目減りの絶対額が減る他の資金調達が要る

手数料10%を6%に下げると、営業利益率3%なら目減り率は7%→3%。同じ3年で残る資金は270万円から590万円に変わります。

あわせて読みたいファクタリング手数料を下げる7つの方法

このモデルの限界

正直に書いておきます。上の計算は単純化したモデルです。実際には次の要素が絡みます。

それでも、手数料率が営業利益率を上回っているかどうかという1点は動きません。ここが逆転していない限り、時間は味方になりません。

あわせて読みたい掛け目とは|手数料と別に手取りを減らす仕組み

計算した結果が厳しかったら

試算の結果、1年以内に資金が尽きる見通しが出た場合は、手数料の見直しだけでは間に合わない可能性があります。

その段階では、次の順番で確認してください。

  1. 日繰りで、いつ尽きるかを確定する月単位ではなく日単位で並べます。支払いの集中日が見えます。
  2. 支払いの優先順位を決める払いきれない場合、どれを先に払うかには実務上の順序があります。
  3. 公的な相談窓口に行く中小企業活性化協議会などは無料です。早い段階ほど取れる手が多く残ります。

あわせて読みたい資金ショートまであと何日か|日繰りで残高を出す

試算の結果が厳しかったら

この段階で有効なのは、資金調達より公的な支援制度です。

まず公的な窓口へ資金繰りが行き詰まりかけている段階では、無料で使える公的な相談先があります。 早い段階で相談するほど、取れる手が多く残ります。

※このページでは相談フォームを設けていません。この段階では、資金調達の勧誘より公的な支援制度のほうが有効だと考えているためです。 資金繰りそのもののご相談は お役立ち記事 の各ページ、または 運営者情報 のお問い合わせ先からどうぞ。

よくある質問

1回転あたりどれくらい減りますか?

手数料率から営業利益率を引いた分です。手数料10%・利益率3%なら7%減ります。

回転数はどう数えますか?

365を平均支払サイト日数で割ります。サイト60日なら年6回転です。

営業利益率はどこを見ますか?

損益計算書の営業利益を売上高で割ります。

目減りを止めるには?

手数料率を下げるか、営業利益率を上げるか、利用額を減らすかの3つです。

どれが一番早いですか?

手数料率の引き下げです。相見積もりを取るところから着手できます。

売上が伸びていれば大丈夫ですか?

吸収できる場合があります。ただし手数料率が利益率を上回る構造自体は変わりません。

掛け目がある場合は?

留保金として拘束される資金が加わるため、実際の目減りはさらに大きくなります。

1年以内に尽きる計算になりました

手数料の見直しだけでは間に合わない可能性があります。公的な相談窓口へ早めに行ってください。

この記事について / 運営者情報

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株式会社PROTOCOLは、株式・融資・債権・BNPLまで、あらゆるフェーズの資金調達と事業成長をワンストップで支援するアレンジメントファイナンス・プラットフォームを運営しています。本記事は、実際の資金調達支援で得た知見をもとに、事業者目線で作成しています。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事業再生・法的整理に関する助言ではありません。手続きの選択は財務状況・債権者構成・事業の継続可能性によって大きく異なります。早い段階で中小企業活性化協議会、商工会議所、弁護士等の専門家にご相談ください。

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