PROTOCOL RE FINANCE

法務・契約

給与ファクタリングが
違法とされる理由

読了目安 8分監修:株式会社PROTOCOL

「給与ファクタリング」は、事業者向けのファクタリングとはまったく別のものです。そして法的な扱いも明確に分かれています。この記事では、違法とされる理由と、事業者向けとの線引きを整理します。

給与ファクタリングとは何か

給与ファクタリングは、個人が勤務先に対して持つ給与債権を業者に譲渡し、給料日前に現金を受け取る仕組みとして宣伝されていたものです。

形式としては「債権の売買」を装っていますが、実際には次のような構造でした。

これは給料を担保にした高利の貸付と実質的に変わりません。

最高裁の判断と金融庁の見解

金融庁は2020年3月、給与ファクタリングは貸金業法上の「貸付け」に該当するとの見解を示しました。業として行うには貸金業の登録が必要であり、無登録で行えば貸金業法違反となります。

その後、最高裁は令和5年に、給与ファクタリングが貸金業法上の貸付けに当たると判断しています。これにより、法的な位置づけは確定的なものになりました。

適用される規制内容
貸金業法無登録営業は刑事罰の対象
出資法年20%を超える利息の契約・受領に刑事罰
利息制限法上限を超える部分は無効

出典:金融庁/最高裁判所の判例情報

事業者向けファクタリングとの違い

混同されやすいため、違いを明確にしておきます。

給与ファクタリング事業者向けファクタリング
債権の種類個人の給与債権事業者の売掛債権
債務者勤務先売掛先企業
譲渡の可否労働基準法上、賃金は直接本人に支払われる民法上、譲渡は原則自由
法的評価貸付けに該当(最高裁)実態が売買なら適法

決定的な違いは賃金の直接払いの原則です。労働基準法により、賃金は労働者本人に直接支払わなければなりません。給与債権を譲り受けた業者が勤務先に直接請求することは、この原則と相容れません。

そのため給与ファクタリングは、構造上どうしても「本人が受け取って業者に渡す」形にならざるを得ず、リスクが移転しない=貸付という評価に行き着きます。

あわせて読みたい偽装ファクタリングが「貸金」と判断された裁判例の読み方

事業者向けなら安全とは限らない

事業者向けだからといって、すべてが適法というわけではありません。売掛債権を対象としていても、実態が貸付であれば同じ評価を受けます。

次のような条件が重なっている契約は、事業者向けであっても注意が必要です。

あわせて読みたい公正証書・連帯保証を求められたら断るべき理由

契約の構造に不安があれば、第三者の目で確認できます無料で相談する →

出典:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」

まとめ|名称ではなく、構造で分かれる

給与ファクタリングは、最高裁により貸金業法上の貸付けに当たると判断されています。無登録で行えば貸金業法違反、年20%を超える利息を取れば出資法違反です。

事業者向けの売掛債権ファクタリングは、これとは別のものです。実態が債権の売買であれば適法な資金調達手段です。

ただし境界は名称ではなく構造で決まります。買戻し義務、連帯保証、分割払い——こうした要素が重なる契約は、事業者向けであっても実質を問われます。

事業者向けの契約でも、構造は確認する価値があります

買戻し義務や保証の有無、手数料の水準を一度整理しませんか。ご相談は無料です。

✓ 秘密厳守✓ 全国オンライン対応
送信できませんでした。お手数ですが入力内容をご確認のうえ、もう一度お試しください。解決しない場合は kota.takeuchi@protocol.ooo まで直接ご連絡ください。

Q1毎月、いくらぐらい資金化していますか?

Q2いまの手数料は何%ですか?

ご入力いただいた内容は、ご相談への対応にのみ使用します。 プライバシーポリシー

よくある質問

給与ファクタリングは違法ですか?

貸金業法上の貸付けに当たると最高裁が判断しており、無登録で行えば貸金業法違反となります。

なぜ貸付とされるのですか?

勤務先に請求できず本人が返済する構造のため、回収リスクが移転していないからです。

労働基準法はどう関係しますか?

賃金の直接払いの原則があり、業者が勤務先に直接請求することができません。

金融庁はいつ見解を示しましたか?

2020年3月に、貸金業に該当するとの見解を公表しています。

最高裁の判断はいつですか?

令和5年に、貸金業法上の貸付けに当たるとの判断が示されています。

事業者向けファクタリングも違法ですか?

違います。実態が売掛債権の売買であれば適法な資金調達手段です。

事業者向けでも問題になる場合はありますか?

買戻し義務や連帯保証、分割払いなどが重なり、実質が貸付と評価される場合です。

利用してしまった場合はどうなりますか?

上限を超える部分は無効となる可能性があります。弁護士に相談してください。

どこに相談すればよいですか?

弁護士会の法律相談窓口や、金融庁・財務局の相談窓口があります。

自社の契約が事業者向けとして適切か見てほしい

構造と条件の両面から確認できます。お気軽にご相談ください。

この記事について / 運営者情報

PROTOCOL Re Finance(運営:株式会社PROTOCOL)

株式会社PROTOCOLは、株式・融資・債権・BNPLまで、あらゆるフェーズの資金調達と事業成長をワンストップで支援するアレンジメントファイナンス・プラットフォームを運営しています。本記事は、実際の資金調達支援で得た知見をもとに、事業者目線で作成しています。

記載内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の契約・料率を保証するものではありません。具体的なご相談は お問い合わせフォーム(無料)よりお気軽にどうぞ。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。法令・判例の解釈は事案の具体的事情によって異なります。実際のトラブルや契約判断にあたっては、弁護士等の専門家にご相談ください。

手数料を半額にしたい方はこちら(無料相談)